力試しと発見とやりたいこと

「その時、何をして、何を思ったのか」を綴る僕の留学記。毎日更新予定。ありのままの様子を書きたい。インドネシアは、人々の生活の様子や習慣ひいては宗教との関わりを現地から自分の目で見て、味わって、体験したい。

日本語教育と東南アジアと諸研究

バンドン5日目

今日は例にもなく勉強一色の日でした。

今お世話になっている友人が教えているUPI日本語教育に関連したセミナーが開催されたので貴重な機会だと思い参加してきました。

 

第三回日本語教育・文学国際セミナー

兼 第三回日本語教育・文学・文化国際会議 に参加してきました。

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UPIの教授や学部生・院生を始め、他のインドネシアの地域から来た日本語学科の教授陣だけでなくシンガポールカンボジアラオス・日本から来客のある予想以上に大きい規模のセミナーでした。

 

ちゃんとした入場許可証を渡されました。
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朝8時開始と聞いたので8時に間に合うように言ったらこの様。
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時間にルーズなのはインドネシアクオリティです。

 

8時半くらいでようやく席が埋まってくる。
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やっとセミナーが始まったと思ったら合間に教授陣が記念撮影
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11時過ぎに小休憩です。
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軽食とコーヒー紅茶が用意されていました。

 

軽食後には東南アジア諸国からいらっしゃった先生方の各国、ラオスカンボジアそしてインドネシア日本語教育の現状についてパネルディスカッションがありました。

総じて

  • 指導者の数・経験不足
  • 学生のニーズとカリキュラムの齟齬
  • 優秀な学生の就職・留学
  • マテリアル不足

などが挙げられていました。

 

ラオスでは中等教育と高等教育の連携が取れていなかったり、指導者になるには一度公務員として就職しなければならないルールがあったりまだまだ難しい状況があるようです。

歴史的に日本占領の周縁や革命などで日本語教育が途絶えた時代があるそうで、中々奇形な話だったので貴重でした。

 

カンボジアでは24歳未満の人口が50%を超えているという超若者社会で先生方は「日本語ができたら将来安泰だよ!」と勧誘して「実は勉強がすごく大変なことは何も言いません。」と悪党の手法でした。

問題としては特に指導経験のある先生を欲していると力説していました。他の国でもそうですが、優秀な学生は日系企業に就職するため次世代の指導者を発掘するのが難しいそうです。

どの国でも大学で日本語を教えるには修士課程卒の資格がほぼマストになっています。たとえ勉強してもより高度な日本での就職や大使館勤務など教育の場に戻ってくることは稀なんだそうです。

 

最後にインドネシアは中国に次いで日本語学習者が多い国です。というのも高校の外国語教育の一選択肢として勉強できます。学習者の90%以上が高校で学習しているというデータがあるそうです。

少し聞こえは良いですが、実際は日本語検定4級(読み書き微妙、会話はまぁ大丈夫くらいのレベル)を持っているかいないかの先生が教えているのが現状だそうです。

実際にインドネシアの高校で日本語教師としてボランティアをしたことがある友人曰く、外国語の先生として英語も教えていたり、学校を掛け持ちしたりしている先生も多いようで先生自身がまともに日本語を学習する時間がないそうです。

そんな状況の中、「高校生の日本語履修者は4級を取得しましょう」という目標が設けられているようで質不足が顕著だという話でした。

 

知らないだけでアジアだけでも様々な地域、たくさんの人が日本語を勉強しているのは幸いですが、中々高度な教育を享受するには至っていないようでした。

 

そんな真面目なお話の後はお昼ご飯。
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正式なセミナーなだけあって豪華で美味しかったです。

 

午後からは院生やインドネシアの他地方から来た先生方の発表を聞きました。

 

介護記録におけるエラー分析や
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日本語とジャワ語のオノマトペの対照研究や
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Vlogというプレゼンをビデオで撮影する勉強ツールを利用した教育法についてや
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「腹」が使われる慣用句の分析
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落語におけるユーモアの分析など
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テーマ選択や内容も含めて色々面白く勉強になる発表でした。

 

知り合いにしれっとついて行って参加したセミナーでしたが年次のイベントらしく参加できてラッキーでした。今回の留学において特にアチェに続いて日本語を勉強しているインドネシア人と出会うことが多く、今回の日本語教育に関する有識者の方々の発表を聞けてとても有意義でした。

 

短かったですが明日でバンドン最終日。またまた移動。

ジャワ島の東端にしてインドネシア第二の都市スラバヤへ向かいます。